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タイタニック・ザ・ミュージカル 岡幸二郎さんの熱演に拍手

今日は東京国際フォーラムホールCで上演中のタイタニック・ザ・ミュージカルを観にいってきました。以下、ネタバレありますのでご注意を。

明確な起承転結のある物語が好きなので、こういった群集劇は苦手かも…と心配していました。〜のですが、力のある役者さんがグイグイと引っ張っていってくれたので、最後まで集中して見ることができました。
このような、エピソードの積み重ねで構成していく作品では、とくに前半部分など散漫な印象になりがちなものですが、要所要所に氷山の情報=近づきつつある危険の予感をちりばめて、ひとつ筋を通していたのもよかったですね。



ただ、役者さんの熱演に比べ、グレン・ウォルフォードによる演出は、お国柄の違いもあるのでしょうか、ところどころ疑問が残りました。
とくに、いよいよ船が沈んでいくシーン。
群集劇のはずが、その場面だけは、セットが傾いていく舞台機構のスペクタクル感に片寄りすぎています。今まさに沈んでいこうとする乗客乗員ひとりひとりの描写が、あまりにも薄くはなかったか、と思うのです。

そんな中でも、大きく拍手を送りたいのがボイラー係役、岡幸二郎さんの熱演でした。
下手のステップで、彼は足からの“階段落ち”を演じ、一度立ち上がりかけた後、今度は頭から落ちそうになるところを、手すりに足首をかけて必死で耐える〜という動きを見せてくれます。プロテクターもサポーターも隠せないシャツ1枚の衣裳ですから、相当お身体にも負担があるはず。
まず彼の演技に目を奪われてしまいましたが、きっと他の役者さんもそれぞれのキャラクターの最期の一瞬を演じていたはずなのですが…。なぜか照明は、中央の「傾いてゆく艦橋」だけを映しだし、個々の乗員乗客を捉えてはくれませんでしたね。

終演後にご本人にもお伺いしたのですが、やはり「そういう芝居をつけられたわけじゃないんだけどね、やっぱりあそこは、ああなるはずだから」とのこと。おぉ、恐るべし役者魂、岡幸二郎さん(敬称略さず)!

〜てなわけで「日本人が演じて、日本人が観る」という視点からは疑問の残る部分もありましたが、これだけの役者さんが顔を揃え、これほどの熱演を見せてくれる作品。一見の価値アリです。
公演もいよいよあと1週間。興味のあるかたはぜひお出かけください。

(おまけ)
チラシ裏やホームページに掲載されている「“浮沈船”の異名を取るタイタニック号の〜」という文章、これはどう考えても「不沈船」ですよね。スタッフさん、要注意です!
by yukihiroxx | 2007-01-27 23:35 | 演劇のこと(鑑賞作品)
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