今日の午後、
フジテレビ739にてフジテレビアナウンサーによる朗読舞台
ラヴシーン11 奇岩城〜ルパンが愛した女〜が放送されました。
ぼくは先日、ひと足先に本編部分を社内試写で観せていただいていました。映像で観る
ラヴシーン11、感動がよみがえる〜というよりは別の感動。よい意味で別の作品でした。まずは、これでもか!というほどのアップの多用。「やりたがったな!(ホメてます)」という感じです。
我々もずっと考えつづけている「朗読舞台とはどうあるべきか」ということ。
純粋に「朗読」を聴かせるのであれば、極端な話、照明も衣裳も、動きさえも必要ない〜という考えもあるはずです。
そんななか、今回の河毛俊作さんによる舞台演出は、朗読を(ネガティブな考えかたをすれば)飽きさせず、(ポジティブには)より魅力的に色づけして「観せる=魅せる」舞台作品として、かなりの完成度に達したと思っています。
そして、今日放送の映像作品は、そのなかの「動き」や「位置関係」を潔く切り捨て、舞台と客席の距離感では絶対に伝えきれない「表情」に徹底的にこだわった演出。
「朗読」を“映像というメディアで”、聴かせるのではなく“観せる”ために、何を捨て、何を活かすかを考えぬいていることが伝わってきました。
映像スタッフは、メイキング収録のため稽古にもずっと帯同してくれていました。そのなかで伺っていたのは「読んでいない人間の表情を捉える」という視点をもちたいということ。
さすが、わかってくれてますね〜と思ってはいましたが、実際にここまでこだわられるとは!
いくつかの“ここぞ”という場面で、あれだけ長い時間を「読み手」を離れて繋いでいくというのは、とても勇気がいることだったと思います。
結果、それらはみな素晴らしい画面になっていました。
島田彩夏アナ、
高島 彩アナら
ラヴシーンの“看板役者”たちが、それに応える表情を見せてくれるだろうことは、我々も信頼し期待していた部分ですが、例えば稽古場で役作りにとても悩んでいた
倉田大誠アナが、ときに厳しく、ときに哀しさを漂わせてアルセーヌ・ルパンになりきっていたことなど、あらためて驚かされました。
我々舞台の人間が、その映像化に100%心を開けない理由のひとつに、「ナマで見る感動、空気感は再現しきれないのではないか」というのがあります。
でも、今回の映像は「舞台では味わえない、舞台とはまったく別の魅力」を持った、たいへんクォリティの高い作品。一人でも多くのかたにご覧いただきたいと思っています。
放送あるいは商品化される舞台映像としては、決して多くないカメラ数のなかで、ここまでの内容に仕上げていただき、感謝しています。クルーの皆さま、おつかれさまでした。
CS放送版 ラヴシーン11は明25日(日)26:00〜28:50に加え、3月18日(日)26:00〜28:50にもリピート放送が決まりました。
ぜひぜひご覧ください。