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マイ・フェア・レディ 札幌でバーテンダーのチャンピオンに会う

素材と素材が出会って、まったく新しい味が、色が、物語が生まれる。
同じ素材の組合せでも、分量、シェークかステアか、飾りやグラスの選びかたでも、違った作品になる。
そんなところが、舞台作品を創っていくぼくらの仕事にも通じるような気がして、カクテルに魅力を感じるのかもしれません。
今日はツアー中に書けなかった、想い出ばなしにおつきあいください。



札幌公演のあいだ、ぼくらは札幌プリンスホテルに宿泊していました。
ここの28階にあるスカイラウンジ「トップオブプリンス」は、落ち着いていて以前から大好きだったバー。加えて、例年、小堺一機さんのライブでお世話になっている品川プリンスホテルのかたから「札幌にいくことがあったら、カクテルコンペに優勝したバーテンダーがいるので、ぜひその作品を試してほしい」と声をかけていただいていて、「今回は4泊かぁ、4回もいけるなぁ」と楽しみにしていました。

お酒の魅力ももちろんですが、舞台制作の人間として「お客様がどれだけ増えても、お一人お一人をお迎えする気持ち」を忘れないようにしたいと思っているので、しっかりしたバーテンダーさんのサービスというのは本当によいお手本。
ぼくがひとりでバーに行くのは、お酒をいただく以上に、バーテンダーさんに会いにいくのが目的と言ってもいいくらいです。

今回の札幌では3人のバーテンダーさんとお話しする機会があったのですが、皆さん素晴らしいかたでした。
初日にお会いした中村さんは、お若いかたのようにお見受けしたのですが、お酒のことをとてもよく勉強していらして、いろいろと興味深いお話を聞かせてくれます。
二日めにお会いした今野さんは、昨秋、別の仕事で来たときのことをちゃんと覚えていていてくれて、お酒もちょっと好みを話すと、ちゃんとピタリのものをすすめてくれました。
そして圧巻は、念願かなって三日めにお会いできた、全国大会優勝の門間バーテンダー。3年前「屋根の上のヴァイオリン弾き」で立ち寄ったときのことを覚えていてくださって(ということは、ぼくは3年前に、後にチャンピオンになるかたのカクテルをいただいていたのですね。失礼しましたm(_ _)m)ホントにもう、びっくりです。

門間輝典さんによる平成18年度HBA/MHD共催カクテルコンペティション全国大会優勝作品 ベルヴェデールウォッカの部「エオリアン ハープ〜麗しの調べ〜」は、ウォッカにライムと青りんご、そしてフレッシュハーブそのものを直接シェーカーに入れてシェークします。
ハーブの香りがとても上品に漂う、素晴らしいカクテルでした。
全国のプリンスホテルのバーでいただけるようですが、やはり札幌で飲みたい一杯ですね。

カクテルの創作なんていうのは、それこそ気の遠くなるような昔から、星の数ほどいるバーテンダーさんが取り組んでいたわけで、それでもまだこんな素敵な新作がうまれるのですから、我々舞台の人間も見習わなくちゃいけません。
まずは「セオリーやスタンダードをちゃんと身につけて、だけどそれだけにとらわれない柔軟な発想で仕事にあたろう」ということなのかな、と、あらためて自分に言いきかせた札幌の夜なのでした。


今回、札幌では出演者・オケ・スタッフと、全員がプリンスホテルにお世話になっていました。滞在中、とくに出演者が利用してるホテルをお知らせするわけにはいかないのですが、ちゃんとお店やカクテル、バーテンダーの皆さんのお名前をご紹介したかったので、先送りにしてしまっていました。あらためてご紹介できてホッとしています。
by yukihiroxx | 2007-07-15 05:54 | 食とお酒のこと
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