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明治座で「母に捧げるラストバラード」を観たよっ

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昨日は明治座で武田鉄矢さん主演の
母に捧げるラストバラード
「コラッ!テツヤ」でおなじみの、
武田鉄矢さんの実母・イクさんの奮闘記を
鉄矢さん自身が演じる物語です。
普段はあまり縁のない劇場ですが、
けっこう楽しませていただきました。
本編に続いてのミニライブもよかったですね。




ただ、こういう“オトナ向け”の劇場でいつも思うのですが「休憩2回・4時間」という上演形態はなんとかならないものかねぇ。
こういった劇場になると、飲食や物販の収入も、入場料に負けないくらい大事だというのもわかる。夜の部といいつつ夕方4時開演というのも、客層を見ればやむなしと思う。…のだけど、“作品のクォリティ”ということに限っていえば、この内容を2時間半にぎっしり詰め込んだ構成をすることができたら、テンポといい密度といい、すごく良いものになると思うんだが。

僕らが“オトナ向け”のお芝居を退屈と思ってしまうのは、何より「一定時間あたりの情報量の少なさ」であるはず。わかりやすくしすぎるために深み厚みを失ってしまっている、とも言えるかなぁ。物語そのものは素敵なお話がいっぱいあるのに、唯一このことで、魅力を半減させてしまっているものがホントに多いと思う。
誰かの人生が展開しているときは、別の誰かの人生も展開しているわけで、それが交わったり交わらなかったりして時間が進んでいくのが現実の世界。
で、それを舞台の上に上手に並べてみせるのが「構成」ということだと思うんだけど、どうしてもこういう舞台だと、ひとりの(ひとつの)エピソードを語っている間は、他の(別の)人生はストップしちゃっていて、それをかたづけて「はい次」って感じになっちゃってることが多いと思うんだよね。

客席にいるオバサマたちだって、2時間ドラマの謎解きや渡る世間〜やらの複雑な人間関係やらをバッチリ把握して楽しんでらっしゃるかたがた。
ぼくらが小さいころ、デパートとかでいい加減にやってるヒ−ロ−ショーを観て「子供をナメてる!」って思ったように、オバサマたちのキャパシティも、もっともっと大きいんじゃないのかなぁ。
最近は、新橋演舞場新感線をやったり、新宿コマWE WILL ROCK YOU をやったりと、新しい客層を開拓しようとしているようなのだけど、それと同時に本来の客層である「おばさまがた」が楽しめる舞台というのもステップアップしていってほしい。
めまぐるしく過ぎていく現実の時間と同じように、もっともっと密度の濃い構成で、短時間でビシッと見せてくれるお芝居のほうが、ずっとずっと魅力的になっていくと思うぞ。

……ただ「もっと良くなる」と思ってるだけで母バラはおもしろかったんだよ、本当に。
by yukihiroxx | 2006-06-23 23:46 | 演劇のこと(鑑賞作品)
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