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WE WILL ROCK YOU 〜ダニエルはどもらない(ネタバレ)

前回に続きWE WILL ROCK YOUのお話。
今回は思いっきりネタばれです。
再来日を楽しみにしている未見のかたは飛ばしてください。
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さて、主演のガリレオ役。日本初演ではマイケル・ファルゾン、ピーター・マーフィー両氏がおもに演じ、ふだんはサー・ポール・マッカートニーを演じているダニエル・ハンフリスくん(写真)がアンダースタディとして、週に1〜2回間をつないでいました。
このダニエルくん、歌はたしかに弱い(声量や表現力の問題ね、決して下手ではないし、声質はとてもよいのです)のだけど、その演技力は若いのに素晴らしいものでした。

ガリレオが自分の使命を自覚し成長していくことのシンボルとして、スカラムーシュの台詞にもある「アンタ吃(ども)らなくなったね」という変化があります。
これはまたラスト直前で“伝説の楽器”を発見できないガリレオが吃音に戻ってしまい、それによって落胆を表現する〜という伏線にもなってるわけです。

歌のパワーのわりに芝居は一本調子なピーターはその場面、吃るという「行為」でしかそれを表現できていなかったのに対し、ダニエルは“あえて吃らず”台詞、表情、動作などを交えた「演技」で落胆を感じさせてくれました。これは各氏の公演をそれぞれ複数回観ていますので、たまたまその日は〜ということではないはずです。
そしてそれがしっかり表現できているからこそ、演出スタッフもあえて台詞まわしをかえさせず、そのまま演技させているのではないかと思います。

今回も再演ではまたダニエルくんは来日するのでしょうか。
前回公演でピーターが怪我をして、しばらく舞台に立てなくなったとき「ダニエルはまだ代役として全日程を任せるレベルには達していなかったので、急きょマイケルの来日を決定した」という話をきいたことがあります。
でも彼の歌にさらにパワーと表現力が加われば、近い将来メインキャストの一人に食い込んでいける素材だと思っています。
さらに成長して、再び日本を訪れてくれることを期待しましょう。

(余談その1)
はじめてダニエルのガリレオをみたとき、冒頭のヘナチョコなガリレオを、あまりにも完全にヘナチョコに演じ切っていて「うわっ、このアンダー、ものすごいヘナチョコ役者かも」って思っちゃったのを思い出します(笑)。
だからこそ、最初の「I Want To Break Free」を圧倒的に歌い切ってくれるとガリレオの“内に秘められた使命と実力”を予感させてくれて、最高のガリレオになるんだけどね。

(余談その2)
日本のダニエルファンのかたがファンサイトを立ち上げられたようです。

それぞれ、日本初演当時の記事なのですが、
カッシーナの座り心地:やっぱりQUEENは凄かった。
★腐女子の独り言★:We will rock you9回目千秋楽!!
高円寺ごはん:WE WILL ROCK YOU3回目
 〜にトラックバックさせていただきます。
by yukihiroxx | 2006-06-30 16:04 | 演劇のこと(鑑賞作品)
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