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斎藤くん、田中くんを明日投げさせてはいけない!

駒苫、早実譲らず再試合 全国高校野球決勝 | エキサイトニュース
<高校野球>白熱の投手戦…37年ぶりの決勝引き分け再試合 | エキサイトニュース

高校野球=汗、涙、根性
高校野球=甲子園
そう思っていらっしゃるかたに早く目を覚ましてほしいです。




高野連も掲げる日本学生野球憲章にこうあります。

附則 第二十条(3)(中略)その非行が、学生野球の健全な発達を阻害し、又は阻害するおそれがあると認められるときは、その者の所属する野球部について第一項前段の規定を準用する。

斎藤、田中の連投。
それを強いる監督の選手起用こそ非行!
“学生野球”とかの前に、まず“学生(生徒)”の健全な発達を阻害してるって!

早実の斎藤は準々決勝から3連投。決勝までに5試合45イニングを一人で投げています。しかも春の大会に続いてです。正気か?と思います。

日本では長く精神の限界まで努力を続けることが美徳のようにされてきました。それはしばしば肉体の限界を大きく越えていたはずです。
大人の身勝手で、子供に、将来有望な素材に傷をつけてしまうようなことをしてはいけません。

この大会が人生最後の野球になる選手、そう思って(決めて)すべてをかけて参加している選手もたしかにいるでしょう。
しかし、少なくとも全国大会の決勝までを一人で投げぬき、勝ち続けることができるような選手、彼らは“たかが高校野球”で終わらせてしまってはいけない才能であり、素材のはずです。

本当なら子供たちに「明日は投げません」と言ってほしいのです。
でも今の彼らは、誰にとめられても「明日で野球生命が終わっても投げます」という精神状態のはず。今まさに戦っている彼らに、そのことは責められません。
だからこそ規則で彼らを守らなくてはいけないのです。

高校野球特別規則
13.延長回数 選手の健康管理を考え、延長戦は15回で打ち切り、後日改めて再試合を行う。(後略)

再試合は“後日”であり“翌日”とは規定されていません。ましてやその目的は“選手の健康管理”です。
今日の試合が引き分けた後、どんな事情があったにせよ「選手の健康を第一に考え試合は4日後におこなう」と言ってほしかった。阪神が帰ってくるのは25日です。

その前に、ずっと前から。
準々決勝から準決勝、そして決勝と、なか数日あけての日程を組んでほしかった。
もしかしたら球場が甲子園である必要すらなかったとまで思います。
各地にドーム球場があるなか、炎天下のデーゲームが続くこの大会をこの場所でやる意味など、選手の健康に比べたらないに等しいと思うのです。

まずすぐにでもできること。
高校野球は今すぐにでも球数制限、せめて連投制限を導入すべきです。
WBCのときにも書いたように、トーナメントでは、ひとりのカリスマ投手がチームを引っ張って勝ち上がるということがありがちです。
球数制限によってそれができない〜チーム全体として、ピッチングスタッフ全体として成熟したチームでないと勝ち上がれない。そういうかたちになるほうが、本来の意味で“強いチームが勝つ”ということになるとも思います。

選手たちの“肉体の限界を越えた(越えざるをえない)”戦いこそ、高校野球の醍醐味と思っている大会関係者がいるとしたら、一刻も早く考えを改めてほしいと願っています。


以前から高校野球の問題点を指摘されていた団野村さんのコラム
BPJコラム: 第9回 血と汗と涙に濡れた高校野球にトラックバックします。
by yukihiroxx | 2006-08-20 23:31 | 野球のこと
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