マイ・フェア・レディ全国ツアー、長崎公演の仕込日です。
会場に到着してまずびっくりしたのが、長崎公演を主催していただく
テレビ長崎のTプロデューサー。
ちょっと、ちょっとちょっと。なんでプロデューサーがテーブル運んでるんですかぁ!
「いや、ここにね。ケータリングセット作ろうかと…」
姉さん(Tプロデューサーは女性で、しかも専任部長!)、まずケータリング作ること自体、プロデューサーの仕事じゃないですって。まいったなぁ。
こんな素敵な(!?) 迎えかたをされてしまうと、ぼくも普段以上に力が入るというものです。
幸い、今回のツアーでは気持ちよく迎えていただけることがほとんどなのですが、いろいろな公演で全国をまわっていると、お土地柄もあり、主催者さんの考えかたもあって、地元のかたの対応はさまざまです。
こちらが恐縮してしまうくらい手厚くもてなしていただけるところから、よくも悪くも任せて(放っておいて?)いただけるところ。まあ露骨に「ギャラ払ってるんだから働け」みたいな雰囲気のところは少ないですけど。
ぼくらツアーマネージャーは移動や宿泊を円滑に手配するまでは当たり前。ツアーカンパニーと地元のみなさん、それぞれの意識を察知して温度差があればそれを埋め、みなさんに気持ちよく仕事してもらうあたりが腕の見せどころだと思っているので、到着するなり、こういうプロデューサーさんに出会うと「もう安心」と思えてしまいます。
ツアーカンパニーの皆さんはプロの集団なので、極端な話どんな扱いをうけても、スタッフは時間になれば幕を開け、キャストは台本の通りにセリフを言い、オーケストラは譜面のとおりに演奏をします。
でも「今日のステージは、いつもに増して最高!」と思えるものが産み出されるのは、やっぱり皆がそれ以上のパワーを発揮できたときなのですよね。
そしてそんなパワーのもとになるのは、高価な差し入れよりも、豪勢なホテルよりも、現場で出会った地元の関係者さんお一人お一人から「この公演を成功させたい。良いステージのためにできるだけの協力をしたい」っていう“お気持ち”をいただけることだなぁと、そんなふうに思うのです。
「各地でスタンディング・オベーションなんですってね。長崎のお客さんはおとなしいからなぁ、どうかなぁ」と心配されていたTプロデューサー。
姉さんのようなかたのもとに集まる運営スタッフさんに助けていただけるのですから、明日の長崎公演はもう大丈夫。
お客さんが立ち上がらずにはいられない、素晴らしい公演になりますよ、きっと!